明山窯ブログ

2016.02.29
工場レポート【窯場】

今日は雛人形作りのクライマックス、窯出しの様子をレポートです!

写真多めでお送りします!

 

朝一番の窯。手をかざすと温かさが感じられます。

朝一番の窯。手をかざすと温かさが感じられます。

 

200度をちょっと下回ったところ。

200度を下回ったところ。

ヒライさん曰く、前日の日曜日の夜中に火を止めたらしいとのこと。

(土日は工場の定休日ですが、それは従業員だけのこと。窯の火の番は休みなく行われるのです)

 

一方、周囲の花瓶を箱に詰めているのは大ベテラン・スギタさん。

いつ窯から出せるんですか?

「もうちょいまっとれ」

はいっ

 

しばらくして。

「だすぞ」

はいっ

 

レールをぴたりと合わせて

レールをぴたりと合わせて

 

4隅のコックを開けて

4隅のコックを開けて

 

大きな扉が開いて

大きな扉が開いて

 

台車を引き出して

台車を引き出して

 

2メートルほど離れたこちらまで熱が伝わって、厚着が恨めしくなってきました。

 

……?

かすかな音が断続的に聞こえてきます。

ピンピン…リン…というような、澄んだ、硬質な音です。これは?

「ガラス釉が冷やされて収縮しよるんや」

こんなに熱いうちに出してしまうのですものね。

「(熱エネルギーは)もったいないけどな」「上(の乾燥室)にまだ…」

お客さんに届けるにはそうも言っていられませんね…。

 

それにしても熱い!

スギタさんヒライさんは軍手一枚で品をどんどん移していきます。

ヒライさん「熱いよ」

スギタさん「200度でも、熱い200度と…」

熱くない200度がある?!え??

ヒライさん「今日のはゆっくり冷ましてるから(熱くない)」前日から徐々にということですね。

スギタさん「急速に冷ますと(熱い)」

デジタル表示される温度だけが、窯の温度ではない。その一端を見ました。

 

さてさて、雛人形の焼き上がりはいかがでしょうか。

 

狭い一段には耐火煉瓦が。

狭い一段には耐火煉瓦が。

この煉瓦で囲まれた中に雛人形が並んでいるとのこと。

うずうずするモリを見かねて、二人がさささと煉瓦を避けてくれました。

 

女雛

女雛

 

男雛

男雛

煉瓦で囲うのは、炎が直接当たらないようにするため。

今年から取り入れた工夫のひとつです。

こうすることで、お顔の白土がより品のある白色に焼き上がるのです。

 

お客様もお待ちかねのお雛様。このあとは、畳をはじめとする多様な小物と一緒に丁寧に梱包、全国へお届けします。

 

窯場からレポートでした。

レポーターはモリでした!

 

 

この日窯出しされた雛人形はこちら。

>>霞(かすみ)陶雛人形|信楽焼明山窯webshop和楽

明山窯の雛人形特集ページはこちら。

>>陶雛人形|信楽焼明山窯webshop和楽

雛人形制作の工場レポート 過去の記事も併せてご覧くださいませ。

>>工場レポート【小物成形場】2015年1月27日